夢二郷土美術館本館(所在地:岡山県岡山市中区浜2-1-32、館長:小嶋光信、運営:公益財団法人両備文化振興財団)では、2023年9月12日(火)より「竹久夢二と榛名-理想郷を求めた夢二-」と題した企画展を開催いたします。
本展では、岡山県出身の夢二が晩年にアトリエを建て、何度も足を運んだ地である群馬県榛名(はるな)ゆかりの作品や資料をふるさと岡山で初公開し、夢二郷土美術館の所蔵作品とともに夢二の知られざる創作の日々と人々との交流を紐解きます。
■夢二郷土美術館本館企画展「竹久夢二と榛名-理想郷を求めた夢二-」概要
会期:2023年9月12日(火)~12月3日(日)
概要:岡山出身の竹久夢二(1884-1934)は大正浪漫を代表する詩人画家としてだけでなく本や日用品などのデザイナーとしての活躍も注目されています。生活の美を信念としていた夢二は、関東大震災後に訪れた大量生産の時代への変化に異を唱え自らの理想を実現するため、1930年に榛名山美術研究所設立の趣意書を発表します。研究所の建設にと考えた群馬県榛名は、旅先で出会う風景や人々に影響を受けて創作していた夢二が特に思いを寄せ何度も足を運びアトリエも設けた地です。
榛名や伊香保には夢二の足跡や地元の人々との交流が伝わり、夢二がたびたび宿泊した旅館には夢二の作品や書簡等が遺されています。これらの貴重な作品と資料をふるさと岡山で初公開し、夢二郷土美術館の所蔵作品とともに夢二の知られざる晩年の創作の日々と人々との交流を紐解きます。
あわせて今年100年の節目を迎えた関東大震災に当時夢二が衝撃を受け、自らの足で震災の跡を見て回りスケッチして都新聞の「東京災難画信」連載や雑誌にルポタージュを掲載するなど、活動の転機となった足跡を直筆の日記などとともに特別公開します。
作品点数:120点以上(うち借用作品27点)※予定
所在地:岡山市中区浜2-1-32
開館時間 :9:00~17:00(入館は16:30まで)、9月12日のみ10:00~17:00
休館日:月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日)
入館料 :大人800円、中高大学生400円、小学生300円
■展示の見どころ
1.榛名・伊香保で描かれた作品、岡山で初公開
岡山出身の竹久夢二(1884-1934)が晩年にアトリエを建て、何度も足を運んだ榛名で出会った徳田迪子氏(旧姓:塚越)との交流から制作された作品を中心に、群馬県内以外では初公開となる榛名や伊香保で描かれた作品や資料の数々から夢二の後年の足跡をたどります。
・展示作品紹介①:夢二手描きの《羽織》
所蔵の岸権旅館以外では初めて公開される作品。伊香保温泉を訪れた際に夢二は1576(天正4)年創業の歴史ある岸権旅館にも宿泊しました。本作は1931(昭和6)年に宿泊した際、岸権旅館の先々代の女将のために夢二が羽二重に描き、後に羽織の裏面に仕立てたものです。鮮やかな桃色の花をつけた梅の枝に添うように竹の葉が描かれ、松の葉も見られることからお祝い事のために描かれたのかもしれません。揮毫された「南枝早春」は夢二が画題としてたびたび用いました。岸権旅館には本作を含めて夢二による作品が5点あり、そのうち4点を初公開します。
・展示作品紹介②:《塚越迪子像》高崎市所蔵
今回借用して展示する全27点のうち21点は本作のモデルとなっている徳田迪子氏(旧姓、塚越)の旧蔵です。伊香保温泉の塚越旅館は1928(昭和3)年から夢二が度々宿泊した宿で、旅館の次女であった当時17歳の迪子氏が夢二に描いてもらった肖像画です。雑誌などで活躍しており憧れの存在であったと考えられる夢二のモデルになったという初々しい緊張感も感じられます。本作の他にも夢二が外遊先から迪子氏に送った貴重な直筆の葉書や短歌などの作品も公開します。
2.関東大震災~夢二のスケッチとルポタージュ大公開~
今年100年の節目を迎える関東大震災(1923年・大正12年発生)は夢二に活動の転機となる程の衝撃を与えました。自らの足で震災の跡を見て回りスケッチして都新聞に「東京災難画信」を21回連載するなどの足跡を直筆の日記とともに公開します。
3.夢二の晩年の活動に注目~理想を追い求めて
生活の美を信念としていた夢二は大量生産に異を唱え、「榛名山美術研究所設立の趣意書」を発表。
4.2年半の外遊を通した夢二の変化
1931(昭和6)年から念願だったアメリカ、ヨーロッパに歴訪。外遊中に見つめたものは。
■企画展関連イベント
・学芸員によるギャラリートーク
企画展担当学芸員による作品解説です。申込不要。
日程:2023年9月24日(日)14:00~14:20
参加費:無料(※要入館料、ゆめびぃ会員は無料です)
・夜の特別鑑賞会「宵の夢二 解説つきプレミアムツアー」
日程:2023年11月3日(金・祝)17:00~18:00
学芸員の解説とともに貸切で鑑賞を楽しむことができる、オリジナルミュージアムグッズのお土産付きツアーです。お庭番頭くろねこ「黑の助」の写真撮影もできます。
定員:最少催行人数5名(要予約)
参加費:一般1300円、中高大学生900円、小学生800円
お申込み先:下記お問い合わせ先まで
・企画展限定フォトスポット
夢二の作品《遠山に寄す》を背景に夢二風のコスチュームを身に着けて写真を撮りませんか?
期間:9月12日(火)~12月3日(日)
場所:夢二郷土美術館 本館 第一展示室
・第13回「こども夢二新聞」作品展示
日程:2023年10月15日(日)~10月29日(日)
「こども夢二新聞」にご応募いただいた作品の中から優秀な作品を表彰、展示します。
場所:夢二郷土美術館 本館 第一展示室、夢二生家記念館 言葉の部屋
※表彰式は10月15日(日)に本館で行います。