夢二郷土美術館
館長 小嶋光信
現役で走る路面電車としては日本で最も古い岡山電気軌道の1953年製造のレトロな車両が、夢二生誕140年を記念して水戸岡デザインで大改修し竹久夢二を顕彰する「Nostalgic Art Tram(ノスタルジック・アート・トラム)KURO×夢二」となり、この4月9日から通常運行ダイヤで岡山市内を走ります。
「KURO」は2014年に夢二生誕130年を記念して「KURO×夢二」として好評を博していましたが、今回の大改修のポイントは世界でも初めてと言える楽しい試みです。
- 今回は電車室内の天井に夢二の代表作が数多く描かれており、その中には生誕130年を機に小嶋ひろみ館長代理が開設したFacebookに入った夢二がロサンゼルスで交流があった宮武東洋さんのお孫さんからのご連絡から里帰りした油彩画《西海岸の裸婦》も見ることができます。
- 電車のボディには、戦前に行方不明となり幻の油彩画と言われ、生誕140年を機に里帰りした《アマリリス》をはじめとする夢二式美人の代表作が描かれています。
- 画を見るだけではなく、乗車されると「ななつ星in九州」や「THE ROYAL EXPRESS」でご活躍の音旅演出家・ヴァイオリニストの大迫淳英さんが友情出演で音源を提供してくれた夢二の代表作「宵待草」のメロディーが電車のドア開閉時に車内外に流れ、全ての電停で聞くことができます。
今回は水戸岡さんのデザインによるまさに走る夢二郷土美術館とも言える「KURO×夢二」電車で、ヴァイオリンで奏でる「宵待草」を聞くという世界でも稀な試みで、なんとも言えず大正浪漫あふれる電車となりました。
是非、この「Nostalgic Art Tram KURO×夢二」電車が「アートの国」を目指す岡山のひとつのシンボルになれば幸せです。
そして、この電車に乗っていただくと大迫淳英さんが奏でる「宵待草」の全曲がQRコードで手に入りますので乞うご期待です。
参考:4月9日からの「KURO×夢二電車」運行ダイヤ 東山線のみ1日4往復
東山発 : 10:12、11:00、11:48、12:36
岡山駅発: 10:32、11:20、12:08、12:56