夢二郷土美術館
館長 小嶋光信
第12回になった「こども夢二新聞」の授賞式が一点の雲もない秋晴れの中、夢二郷土美術館で行われました。
ご家族の皆さん共々華やかで賑やかな授賞式となりました。
何も甲乙つけがたく、工夫された新聞が多くなって審査も大変なほどでした。
館長賞、作品は、夢二さんのスーパーぶりを特集した記事になっていて、大正ロマンや「夢二式美人」で有名なだけでなく、詩人であり、画家でありデザイナーであり、イラストレーターであることを分かりやすくクイズ形式でまとめていました。
そうなんです。夢二さんは詩人になりたかったのですが、詩人では食べていけないので、新聞や雑誌の挿絵画家から画家になっていきました。
じつは夢二さんの絵には心の詩が描かれているのです。この画風は世界でも夢二さんならではのもので、「詩画人」とも言えるでしょう。
そして日本のデザイナーの草分けであり、イラストレーターであり、人形も制作したり、本当に多彩なマルチアーティストです。
郷里の子どもたちが夢二さんに興味を持って新聞記事に創り上げることで、きっと素晴らしい地元の誇りの伝道者となってくれるでしょう。
これからの子どもたちは国際人に育っていってほしいのですが、国際人の第一歩はお国自慢で郷里を誇りに想い、伝え、お互いに認め合うことなのです。この新聞で培ったプレゼン能力がキッとこれからも大いに役立つと思います。
こども夢二新聞の作品を見て、夢二さん風に川柳で纏めると、
「あどけなき子どもたちと思いしを 記事を書かせば 大人顔負け」
と言えるでしょう。
皆さんのこれからの成長が楽しみです。