(公社)岡山県バス協会
(一社)岡山県旅客船協会
会長 小嶋光信
岡山県経済団体連絡協議会と岡山県商工会議所連合会、岡山経済同友会、岡山県経営者協会、岡山県中小企業団体中央会、岡山県商工会連合会の経済6団体に、今回初めて岡山県の交通4団体(中国地方鉄道協会、岡山県バス協会、岡山県タクシー協会、岡山県旅客船協会)が公共交通利用促進の要請をしました。
要請したきっかけは、岡山市が11月と12月に1日ずつ公共交通無料デーを実施した結果、当日の公共交通利用は2倍以上になり、また、百貨店などの利用客が3~4割増え、公共交通の利用促進とまちや経済の活性化がウインウインの関係にあることが実証されたことから、さらなる利用促進を経済界と行政と共に進めて行きたいという思いからです。
公共交通はエッセンシャルワーカーとして地域の移動を担っていますが、コロナ禍以前からマイカー利用と少子高齢化の影響もあり利用客が減少傾向で、バスは9割、地方鉄道は8割も恒常的に赤字という経営体質になっています。そこにコロナ禍が襲ってきましたが、バスや鉄道やフェリーは地域の交通確保のための路線維持を国や自治体から要請されて頑張っています。
が、路線(運行)を維持すれば雇用促進臨時交付金をもらえないという不合理とともに、人流抑制政策でバス3割減、鉄道4割減、旅客船4割減、タクシー3割減少と危機的状況が2年以上続くという惨状です。各交通モード共に自己資本を食いつぶし、その損失補填に10年以上かかるという状況に加えて、世界情勢の不安定から燃料高騰を招くという交通事業始まって以来の未曽有のピンチに直面しています。
そこで、このピンチをチャンスに変えるために経済界から地域や行政に公共交通の利用促進をお願いし、地域の発展と利用客増加を図っていきたいと考えています。
具体的には、
1.公共交通の利用促進
あ)通勤等で積極的に公共交通を利用
・・・カーボンニュートラルへの貢献や社員の健康増進などSDGsに資する
い)時差通勤
・・・時差通勤による働き方改革での効率化と通勤の平準化、ランチタイムなどの混雑緩和
う)「岡山県公共交通利用県民運動をすすめる会」などの行政発信での積極的な利用促進を経済界から要請
2.オミクロン株の出口戦略として、人流制限から人数制限に切り替えることを要請
・・・ウイズコロナで安全、安心に経済社会の活性化を図る
3.燃料価格の高騰対策を国へ要請
コロナ禍による公共交通の経営悪化に加え、燃料価格が高騰している
・・・国や行政による燃料価格の安定化へ向けた対策が早急に必要
・・・思い切って国の備蓄を放出して燃料需給の緩和と高騰を抑制
コロナ禍の長期化で、少子高齢化による利用客減少が10年先に進んでしまったとも言える現況、ここで、経済界あげての利用促進を図り、危機を突破していきたいと念願しています。
両備グループ