両備グループ
代表兼CEO 小嶋光信
7月31日は両備グループの創立記念日で、今年、110回目を迎えました。
コロナ禍が無ければ記念式典を盛大に行なって祝う年ですが、世界を震撼させている未曽有の災害となっている状況を鑑みて、来年の創立111年(ワンワンワンの年)に祝賀イベントの開催を延期することにしました。
110年の記念としては、背中に両備グループの礎である西大寺鐵道のエンブレムと「たま駅長」をヒントにした創立110年の記念ロゴのボタンが付いた特製ポロシャツを全社員の皆さんにプレゼントして、制服がある部署以外の職場のドレスコードフリーのキックオフとしています。
創立記念日には毎年恒例の両備グループ物故幹部並びに社員の供養を、今年も8時30分から曹源寺(岡山市中区)にて執り行ないました。原田老師の読経のもと三密を避けて、グループ長、ユニット長など一部の幹部に絞った出席者で労使一緒に先輩たちの努力に感謝するとともに今後の100年、200年の永続を厳かに誓いました。
原田老師から、実は「三密」とは仏教用語で、「口を清める」「体を清める」「心を清める」という意味であると伺いました。今、叫ばれている三密は「密接」「密集」「密閉」ですが、なるほど仏教でいう「三密」でも新型コロナからの災禍を清めて身を守ることができるでしょう。
この三密を会社に置き換えてみると「清い会社」「清い仕事」「清い心の社員」に磨きをかけるということで、コロナ禍を無駄にせず「ピンチをチャンス」に変えていかなければなりません。
両備グループも110年間の永続の知恵で、どんな時代にも逞しく生き抜いていくために「トランスポーテーション&トラベル(T&T)部門」「ICT部門」「くらしづくり部門」「まちづくり部門」という4つの強力なコアエンジンと社会貢献という方向舵で、どのエンジンが止まっても目標に向かって邁進する逞しい体質を創ってきました。しかし、今回ビックリしたのはT&T部門で物流以外の鉄道、バス、タクシー、フェリー、トラベル各ユニットの全てが甚大な被害を受け、エンジンが止まるどころか逆噴射するような有様です。しかし、お蔭さまでどうにか3つのエンジンは強力に回っているので社会貢献という方向舵で先行きが見通せる状況まで来ました。
今回のコロナ禍で大事なことは「昨日と同じ明日は来ない」ということを覚悟しなければなりません。じっと肩を窄めて新型コロナ禍が過ぎ去るときを待っていても過ぎ去った栄光の時代に戻るわけではないということです。確実に世界は萎み、経済は変質してきており、これからは常に新型コロナウイルスのような感染症や集中豪雨等の自然災害に晒される時代を生き抜いていく覚悟が必要です。
「安全・安心・エコで健康」と「AI、IoT、ロボット化」という両備グループ21世紀の経営テーマは、まさに今日のために創ったかのように活きています。そして、20数年前から皆さんに説いている「能力主義的安心雇用への転換」というテーマは現在、一部の企業しか実施されていませんが、今日叫ばれている「ジョブ型」の雇用がまさにやろうとしている事柄で、年功序列や働いた時間数だけを見る評価を大きく変革しなければなりません。生産性を上げ欧米に追い付き、リモートワークなどの多様な働き方改革を実現するには、このテーマを労使で乗り越えていくことがアフターコロナで企業が健全に経営していける要件の一つでしょう。
両備グループは「いつの時代もチャンスがある」と考えます。
海外や遠隔地への観光旅行が難しければ、「地元の再発見」として「じもツアー」という企画を開発しています。それも自社だけのブランドを造るのではなく、ブランドを開放して皆で全国各地の「地元」を盛り上げて、皆さんが自分の地元に誇りを持てるように地方の時代を創っていきたいと思っています。
参考 : https://git-web.com/ryobigr_2024/message/5729/
新型コロナの感染対策として両備テクノモビリティーは深紫外線のロボットと抗菌、抗ウイルスのコ―ティングで「Anti B&V techno service」という抗菌・抗ウイルスの複合対策ツールを開発し、商品化しています。
参考 : https://git-web.com/ryobigr_2024/message/5740/
問題を問題としてマイナスで終わらせることなく、そのソリューションを商品化している例は「点呼・健康:ご安全に!」を始めとする安全・安心の点呼ソフトなど数々あり、これが両備グループの真骨頂とするところです。なにゆえソリューションを商品化できるのか、それは世界でも珍しい幅広い事業領域のシナジーから生れています。
今日は原田老師から「心 日々新」という色紙をいただきました。まさに「今でしょ!」です。
この新型コロナ禍をむしろテコにして、両備グループは進化を続けます。