和歌山電鐵
社長 小嶋光信
「世界的猫ブームの火付け役はたま駅長」であり、地方鉄道ブームの救世主である「たま駅長」が就任以来今日で13周年を迎えます。
2015年8月10日に二代目の貴志駅長になった「ニタマ駅長」も、二世駅長となって今年で5周年を迎えることを記念して「ニタマ電車」を建造することを決意しました。
再建を始めた2006年当時では92あった地方鉄道のうち70は営業廃止やむなしと思われていました。この存続不可能と思われた貴志川線を、赤字補助が主流の日本のやり方ではなく先進諸国で一般的な公設民営の手法での再建を両備グループで提案し、2006年4月1日より再建を始めました。当時は公設民営も法整備が無かったので南海電鉄からの所有権の移転での準公設民営で実証実験を兼ねての再建を図りました。
この不可能と思われた地方鉄道の再建は地域の皆さんで結成された「貴志川線の未来をつくる会」と和歌山県や和歌山市と紀の川市のご協力に、社員の皆さんと年80ものイベントによる集客と水戸岡デザインによる楽しい電車たちの活躍に加え、民間企業において世界で初めての猫の駅長「たま」の登場で10年間の再建を無事成し遂げることができました。
たま駅長の活躍で貴志川線が世界のブランドになり、和歌山県にインバウンドのお客様が増えて観光振興にお役に立ち、世界的な猫ブームが巻き起こったことは世界の猫族の語り草になっていることでしょう。
お陰様で11年目の2016年からは設備補助だけで運行補助はいただかないという独り立ちのスキームで地方鉄道では前人未踏の出発をしましたが、幸い一年目は黒字化することができました。
ところが相次ぐ想定外の異常気象による災害で復旧工事費が増大し、関西空港での貨物船衝突事故や香港の政情不安でインバウンド客が減少し、高速道路の整備などで貴志川線の道路混雑が解消されたことでの通勤客の減少などなどで再び赤字路線になってしまいました。
そこで新たに「キシカイセイプロジェクト」を立ち上げて次なる創業に努めています。
このプロジェクトの目玉としての「ニタマ電車」は、黒字化を達成する意味も込めて黒色の電車にしました。勿論水戸岡デザインによりますが、イメージデザインに見られるように黒色に三毛猫のニタマの躍動ぶりが浮き出て見えます。
この「ニタマ電車」も皆さんで創りあげていきたいので、クラウドファンディングや寄付などで賄えるようにしたいと思います。
正式な内外装のデザインは、今年の8月10日に発表し、同時にクラウドファンディングの詳細も明らかにしたいと思っています。
是非皆さまの絶大なるご支援をよろしくお願いします。
私の使命は公設民営化で和歌山電鐵をサステナブルに永続する仕組みを作り上げ、この鉄道というインフラを使って和歌山県、和歌山市や紀の川市の活性化と国際化を図ることです。日本一の地方私鉄沿線ができるように頑張ります!