中国バス 100周年、新たなる発展へ!

両備グループ
代表兼CEO 小嶋光信

雨降って地固まると言いますが、「乗ってて怖い、バスが汚い、挨拶もない」と言われ、年間12回もの争議を行なっていた中国バスも今日のような秋晴れのもと、希望に燃えて100周年を迎えることができました。

濱岡元社長からのご依頼で、両備でお引き受けして早12年、福神自動車と尾道軽便鉄道から数えて100周年を元気な企業として迎えられるのも、お客様と今日ご来臨を賜った行政や仲間のバス会社様をはじめとする皆様の応援と、社員や幹部の努力のお蔭だと感謝申し上げます。

引き受けた当時は、建物はお化けも逃げ出すほど古くて汚く暗いと言われましたが、お蔭様で今は明るく働きやすい職場になり、ドリームスリーパーやビンゴスター、ローズスターなどの新しいバスも登場して、お客様の期待に応える新しい夢が生まれて来ています。

私が両備グループのトップになった時は、2000年、2002年の運輸業界の規制緩和を控え、分析してみると補助金を頂かずに頑張っていた両備グループの公共交通も10年後には赤字企業となり、成り立たないと思われる状況でした。

日本は1980年代のイギリスのサッチャー政権が公共交通の競争政策で大失敗した経験を活かせず、公共交通の規制緩和を実施し、31以上の公共交通事業者が倒産し、再生されていきました。

ヨーロッパは何故、公共交通を残すことができたのか不思議に思い調べてみると、日本のような補助金政策でなく、交通権・移動権の理念のもと公設民営で公共交通を維持していることが分かりました。

公共交通はネットワークで、一社のみ助かろうと思っても存在し得ないということで、津エアポートライン、和歌山電鐵、中国バス、井笠バスと再建を続けながら、公設民営の効果を実証し、抜本的改革を唱えながら、ご当地の国会議員の宮澤洋一さんなどと地域公共交通活性化再生法や交通政策基本法などの成立へ向けての提案をし、助力しました。

規制緩和の矛盾を外堀から埋め、現在も「少子高齢化で人口が減少する地方では競争と路線維持は成り立たない」と、公共交通制度や運送法の改善と向き合って頑張っています。

地方の公共交通を今後も残していくためには、
1.運送法や制度の改革
2.交通目的税などの財源の確保
3.「乗って残そう公共交通」という社会風土の醸成
が必要です。

法を改正しても財源がなければ今後、人口が減少する地方では公共交通は維持できず、財源ができても乗って頂けなければ地方公共交通は存続できません。

これからもお客様に乗って頂けることが一番で、ここで迎えた100周年に改めて感謝申し上げるとともに、これからの100年も皆様のご期待に応えられるように頑張ることを誓います。

中国バス