夢二郷土美術館
館長 小嶋光信
夢二のふるさとをテーマにスマホでもスナップでも気軽に応募していただきたいということで始めた「夢二ふるさとフォトコンテスト」も今年で第3回を迎えて、出展者の皆さんの腕がメキメキ上がり、審査員泣かせになってきました。
さて選考にあたり、並べられている写真を見てパッと1枚の写真が目に入ってきました。
両備バスのガイドさんがちょっと腰を屈めて優しく当館のお庭番のクロネコの「黒の助」のレリーフの頭を撫でていた写真でした。
私どものガイドさんと黒の助を選ぶと、全く身内のお手盛りと思われると思って、「ちょっと内輪の写真ですが、館長賞か黒の助賞の候補でいかがでしょうか?」と審査会の場で伝えてみました。
すると、審査員の岡山県立大学の北山先生が「それ良い写真ですからちょっと置いておきましょう」ということで、入賞の全作品を最後まで選び進めていきました。
結局、「そのガイドさんの写真が最優秀ですね」という北山先生のひと声で決まりました。
何とも微笑ましい写真でこんな自然なポーズを果たしてシャッターチャンスで撮ったのか、それともガイドさんにポーズしてもらって撮ったのか興味津々で、そのガイドさんを探して表彰式にきてもらいました。
ヒアリングしてみると、定期観光バスが美術館に到着後、降りてきたガイドさんが何気なく黒の助のオブジェをタッチした瞬間を撮ったシャッターチャンスの写真だと分かりました。
ガイドさんの優しい女性らしさが見事に出ている1枚でした。
10月12日までコンテストの写真を夢二郷土美術館で飾っていますので、企画展の「夢二式美人」と共にぜひご覧にいらっしゃってください。