和歌山電鐵
社長 小嶋光信
ヤマト運輸さんから、貴志川線の田中口駅から神前駅間2.3キロメートルの荷物の配送に和歌山電鐵の定期路線を活用したいというご依頼があり、素晴らしいアイデアでもあり、すぐにご協力することに方針決定しました。
田中口から神前の区間は一般道路が特に狭隘で、朝晩は渋滞する上、路肩の側溝に通行車両が落ちるなどの事故もあり、今までは、比較的、閑散となる時間帯(11時)に車で一日約90個の宅配便を配達しています。
今回この区間を7時台に田中口駅からヤマト運輸の社員さんが集配コンテナを積み込み乗車、神前駅まで電車輸送し、そこからはリヤカー付き電動自転車にドッキングして各戸へ運ぶという、全国で初めての鉄道定期運行便を活用したリレー宅配便が登場しました。
この取り組みは、
1.ヤマト運輸としては、11時の車による配達を8時台にリヤカー付き電動自転車で輸送することで、3時間も配達時間の短縮と輸送の効率化が図られ、再配達を減らすなどのメリットがある。
2.和歌山電鐵としては、閑散時間帯に貨物輸送を手がけることになり、地方鉄道の路線維持のための貴重な収入源となる。
3.付近の住民の皆さんも車輸送での混雑緩和や環境への配慮などが図られ、且つ手早く荷物が届くなどのメリットがある。
という「三方良し」の企画です。
今後は、貴志川線の各駅にオープン型ロッカー「PUDOステーション」の設置や、手荷物預かり、手荷物配送サービスの提供、県産品の販路拡大に向けた活用も検討し、地域のお客様の利便性向上や観光振興に取り組んでいきたいと思っています。
2月5日には、近畿運輸局から認可状の伝達が両社にあり、この輸送の調印式を行なって、翌週2月16日から仕事初めです。
田中口駅―神前駅間は和歌山電鐵による、いわば「三毛猫ヤマト便」となり、クロネコヤマト宅急便との共演で、「よんたま駅長」としても喜びの初仕事です。
伝達・調印式には、「たま駅長代理」とヤマト運輸さんの「クロネコきぐるみ」も参加して大いに盛り上がりました。