「海の七つ星プロジェクト」の計画概要を発表!

両備グループ代表 兼 CEO 
小嶋光信

2015年4月、夢のプロジェクトとして「海の七つ星プロジェクト」というヨット型客船の構想を水戸岡鋭治さんのデザインで創ると発表しました。しかし、当時はまだ世界的に景気が良く、日本の造船所はほとんど受注で手一杯の上、大型客船造船での巨額の損失で、造船業界はクルーズ客船を造る技術も乏しいし、また客船を造ると赤字が出るという風説で、どんなに努力をしても建造を引き受けてくれる造船所がなく、計画はストップしたままでした。

しかし、水戸岡さんと世界でトップクラスのクルーズ客船を創りたいという夢は捨てがたく、問題点を整理しながら構想を練り続けました。

その間、飛鳥Ⅱなどのクルージングビジネスでのノウハウの醸成や、これまでの世界各地でのクルーズ経験に加え、昨年はハワイの島巡りクルージングなどソフト面での研究を続けてきました。

クルーズ客船と言っても4ランクあります。

  1. スタンダード(2人部屋1人当たり 一泊100ドル以上)
  2. プレミアム(  〃  200ドル以上)
  3. ラグジュアリー(  〃  400ドル以上)
  4. ブティック (ヨット型)(  〃  800ドル以上)

このプロジェクトは、日本にはない最高ランクのヨット型客船の分野での挑戦です。今回のヨット型客船の新しい計画案を、「両備グループフェア2017」での水戸岡さんとの対談「海の七つ星プロジェクト企画会議 part2」で発表しました。

その概要は以下の如くです。

コンセプト

  1. 水戸岡デザインによる世界トップクラスの「ヨット型(ブティック)客船」を目指す
  2. ゆっくり、ゆったり「ひょっこりひょうたん島」のような安らぎのクルージングを目指す

船の特長

  1. 静粛性、環境対応  
    a.電気推進式と中速ディーゼルのハイブリッドの採用(ポッド式)
    b.完全二重防振
  2. 揺れ防止 
    アンチローリングタンク
  3. 小さな島や港への対応
    船尾にマリーナの設置とテンダーボートの配備
  4. 豪華性
    デッキにチーク材、内装に木質感や大理石など自然素材を中心に豪華で、斬新なアイデアを駆使する
  5. 安全・安心
    スプリンクラーの設置とバリアフリー

船の概要計画(案)

船 種:旅客船
全 長:120m
全 幅:17.5m
船底構造:Monohull
総トン数:約9,000トン
デッキ数:8デッキ
満載喫水:5m
船室数:61室 
旅客定員:122人+18人=140人
船 員:70人
客 室:60室(全室スイート仕様)+(オーナーズルーム1室)
    全室スイート1室36 平米程度を基準
    バルコニー付き
揺れ防止:アンチローリングタンク
航海速力:常用出力  15ノット
     電動機のみ 9ノット
船 籍:日本
航行区域:近海(国際)
就航時期:2020年4月を目指す

私が「海の七つ星プロジェクト」と名付けたのは、JR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」に触発されたということと、旅客船事業に携わる者として、いつかは自分の船で日本一周をしたい、いつかは世界の七つの海をその船で航海したいという30歳代からの夢を込めたものです。

その夢の実現のために、今回は船体と内装を分離発注することで、船の建造を造船所で受けてもらえる条件を整えていきます。内装は水戸岡さんの職人集団が担当する予定です。水戸岡デザインの真髄はクラッシックな木質感での内装であり、不燃性の材料などスペックの厳しい船の建造で、世界中で材料まわりの開発から技術まで一貫して出来るノウハウを持っているのは水戸岡さんだけでしょう。

もちろん、ヨット型客船は船が素晴らしいというだけでなく、サービス水準や食の分野でも世界的なトップレベルの評価が必要で、今、その体制づくりを整えています。

数々ある困難を乗り越えてこその世界トップレベル、男のロマンとして必ずキャッチアップします。

以上

cruiseyacht

2017.03.25
両備グループ