両備グループ
代表 小嶋光信
お客様からのメール
「路面電車の環状線化の案がでていますが、期待しています。大変便利になると思うのです。 試験的に、バスで環状線化してみることはできないでしょうか? 岡山駅→中央郵便局→大学病院→市役所→岡山駅でバス運行してみてはどうでしょうか?期待しています。」
大変大事なご質問なので私自身がご回答することにしました。
- 専用軌道の路面電車とバスの根本的違いは定時性の確保です。
残念ながらバスがマイカー時代に競争力を失ってしまったのは、渋滞に巻き込まれ定時性を失ってしまったからです。 そこで、大都市ではコストが路面電車の10倍以上かかる地下鉄を作るのですが、都市の規模と経費面から岡山市では路面電車が最適かと思います。現在は京都の規模でも、バスや地下鉄から路面電車に戻したいという議論が根強くあります。 私は徒歩かバスで通勤していますが、雨が降ると歩いて20分が、バスで30分以上かかってしまいます。もし軌道を走る路面電車があれば渋滞に左右されず常に定時だと思います。 - 専用軌道とバスの違いは見える化の違いです。
高齢化社会ではもっとも大事な視点です。レールのある安心感、即ち認知がし易いのです。また、デザイン性の違い、超低床によるバリアフリーで、乗り降りのしやすさなど数え切れない見える化の違いがあります。 - 路面電車とバスの違いは輸送力です。
一車あたりバスは50人、電車は100人で、必要に応じて連結も出来るため、通勤、通学などの混雑時に威力を発揮します。岡山電気軌道の岡山駅前電停の朝のラッシュを見れば歴然です。 - エコロジーの違いです。
- 街づくりの差別化です。
既に他都市では線路を外してしまって、新たな線路が出来にくい路面電車が、岡山市に残っていることが、実は、グルノーブルなど、文化性の高い街づくり手法が活きるのです。
(ご参考) 路面電車の走る街の一覧
仮に、桃太郎大通に路面電車が無かった姿をお考えいただければ、ノッペラボウの町にお感じになりませんか。電車あれば100年の街づくりができるのです。
このように路面電車とバスの違いを考えて、両備グループは公共交通面ではバスが主力ですが、中心市街地は岡山電気軌道の路面電車がベストと考え、敢えてバス事業確保より街づくりを優先させたのです。渋滞のない郊外は設備投資の少ないバスで、混雑する市内中心部は路面電車でと、それぞれの機能を活かすことが大事と考えます。
ですから、ご指摘のバスで試してみるという案も素晴らしいのですが、同じ状況を残念ながらバスではつくり得ないのです。従って、バスで試して実証ということにはなりにくいと思います。
岡山市でも10数年前に、レトロな電車型バスを買って実験をしましたが、予想以上に利用が伸びませんでした。理由は前述だと思います。勿論市民の皆さんがバスで実証をということでしたら、バス専用道にして実験してみると、定時性の面だけは解決出来ると思います。 ご納得いただける答えになれば幸いです。
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