エコ公共交通大国おかやま構想へのお客様の貴重なご意見 パート4

両備グループ 代表 
小嶋光信

長野県中川村のお客様からのメール

ひょんなことから交通に関するパネリストの依頼を受け、交通基本法のことを知りたいと思い、御社のウェブサイトを拝見しました。

拝見する前に交通基本法について、国土交通省、民主党、ジャーナリスト、学者の主張や考えを読みましたが、賛否両論ある中で、いまひとつピンとくるものがありませんでした。

しかし、小嶋様の「交通権を認める交通基本法で「エコ公共交通大国」の実現を目指して」を拝読して、私の中での認識に大きな変化が起きました。

「公共交通を民間任せにしている先進諸国は日本だけ」という言葉を目にしたときに、私が21歳の頃にニュージーランドを旅した時のことを思い出しました。

当時、クライストチャーチからマウントクックまで路線バスに乗ったのですが、50人乗りのバスに乗客は私1人だったのです。 数時間の旅の中で、運転手は風景がきれいなところを通りかかると、一生懸命説明してくれたり、時には写真撮影のためにバスを停めてくれたりして、淡々と運転業務をこなしていました。

乗客が一人なのにどうしてあんなに余裕があったのか?と疑問を感じていたのですが、「公共交通を民間任せにしている先進諸国は日本だけ」というのがキーワードのような気がしてきました。(ただし、ニュージーランドの公共交通に補助があるとかいった裏づけは取ってありません。)

私は現在、たまたま交通に関する業務を担当していますが、「公共交通というのは、利用者が多い少ないということではなく、それを必要とする、免許を持たない子供達や、運転できない高齢者の方々に移動手段として社会が備えていなくてはならない交通手段ということです」とは、まさにそのとおりだと思います。

私の村(長野県中川村)では法定協議会に基づいて、市町村交通空白輸送、過疎地有償運送、福祉有償運送を行っていますが、協議会における委員である隣町のタクシー事業者の皆様からのご意見にも一理あるのだなと再認識いたしました。

ウェブサイトにて公開していますので、ご覧いただければと思います。
http://www.vill.nakagawa.nagano.jp/data/transport/20100501_gaiyou.pdf

もう少し交通基本法のことを勉強して、パネルディスカションに臨みたいと思いました。

 

両備グループ代表 小嶋 光信から

大変、励みになるご意見を賜りまして誠にありがとうございます。

この問題は、岡山だけでなく全国の地方公共交通が抱えていることで、国民に移動の権利を保障する交通権を前提にした交通基本法の成立なくして、 地方公共交通の存続は見込めない状況です。

交通弱者と言われるお年寄りや通学者の交通の確保だけでなく、地球環境保護や、介護 福祉面からも、今の日本が一番に取り組まなければならない事柄だと思っています。

この公共交通維持という問題が厄介なことは、交通が無くなるという現実まで市民の皆さんが気がつかないことです。マイカー時代には一部の声無き市民だけが困る問題なのです。世界の先進諸国で、公共交通を民間に任せきった国は日本だけという実情をご存知ないのです。

私どもの岡山市にも、いまだ法定協議会が設置されておらず、地域挙げての公共交通・環境・福祉問題への意識、知識の向上が出来ていません。 事業者として将来の行く末が分かるので、将来の悲劇を将来の夢に変えるためにエコ公共交通大国おかやま構想を発表しました。やっと住民の皆様の一部が気がついてくれて、住民運動の端緒が生まれてきました。

貴村の法定協議会を活かした地域一体となっての取り組み活動を拝見して、岡山もがんばらなければと勇気を頂きました。

是非このメールをパネルディスカッションで皆さんに読み上げて下さい。

パネルディスカションのご盛況をお祈り申し上げます。

エコ公共交通大国おかやま構想へのご意見コーナー

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