岡電3000形「おしゃれ電車」が日光へ里帰り

岡山電気軌道 社長
小嶋光信

宇都宮車両で製造され、昭和28年生まれの岡電3000形は、東武鉄道日光軌道線から譲渡を受けて、昭和44年から岡山市内を走り始めました。平成20年から昨年夏までは、水色に赤、白、茶色のタータンチェックで「おしゃれ電車」として運行されていましたが、創立100周年記念でMOMO2が誕生したことで、現役を引退することになりました。

さてこの電車をどうするか、廃車にするのは可愛そうなので、新たな余生を送る譲渡先を本年5月5日の運行開始100周年で公募をしたところ、多くのお申し出がありました。

その中でもひときわ熱心だったのが「日光霧降高原・チロリン村」の山本社長で、前日に公募を知り、岡山まで飛んできて応募されました。山本社長は学生のころ日光軌道線を利用していて、地域のなじみの深いこの電車をふる里の日光に連れて帰りたいと思われての応募でした。結果、熱心さとふる里の日光への里帰りという2点を評価して、チロリン村を譲渡先と決定して、6月24日に「岡電3000形譲渡認定証書」を授与させていただきました。

会場には、「おしゃれ電車」に付き添うように同型の東武日光軌線(通称)色の一台と水戸岡デザインによる「KURO」が並び、花を添えました。
この秋には日光に輸送され、「チロリン村」に運ばれて、来年5月5日のお披露目に向けて準備される予定です。

日光の名花キスゲのお花に囲まれて、これからの余生をゆったりと生まれ育った日光で過ごすことになって、「おしゃれ電車」も嬉しそうでした。

岡山電気軌道株式会社